これからの総合医療時代に向けて~医療現場に求められる健康食品とは~
「西洋医学の限界が代替医療に向かわせる」帯津三敬病院名誉院長・帯津良一氏
代替補完医療を取り入れる医師の数は増加傾向にあり、統合医療に向かっての動きは活発化している。このシリーズでは、長年、代替医療に携わる医師に現在の医療の現状、健康食品との関わりについて聞いている。
今回から2回に渡り、帯津三敬病院(埼玉県川越市)名誉院長の帯津良一氏。同氏は、「人間を丸ごとみる」ホリスティック医学を提唱。患者と二人三脚で数多くの治療法を実践している。
10年ほど前、アメリカのある民間企業は『文明の未来』という本の中で、2006年は、「世界中で健康に関するものが花盛りになる」との予測を示した。特に、運動やサプリメントを取り入れた長寿センターの需要が増すという。2006年はアメリカの団塊の世代が、大量定年を迎える年。健康な余生を送りたい彼らは、「自分たちの健康は自分たちで守らなければいけない」との意識から、世界中の長寿センターを訪ね歩くというのだ。
これは概ね当たっているだろう。そしてもう一つの予測は、代替医療が活発化するというものだが、これも当たっているといえる。
こうした予測が的中したのは、根底に一般の人々が、「西洋医学を信じていない」ということがある。私はこうした流れを30年近く前に、先取りしていたといえる。
そもそも西洋医学は、胃や肺など体のある一部分を見ている。しかし、その部分が成り立っている周囲との関係をあまり重視していない。一方で、中国医学は、陰陽学説と五行学説が基になっているため、関係を重視する医学そのものである。米学術雑誌の投稿でその医療成果を知り、興味を強く持つようになった。
1980年、北京・上海の大きながん治療施設を駆け足で見学した。そのとき、惹かれたのは、鍼灸や漢方ではなく、海外の研究書でも多く取り上げられていた気功だった。
北京の病院では、鍼麻酔の効果を上げるためや、がんの手術後の再発防止のために、気功を用いていた。是非、自分の治療に取り入れたいと考え、当時勤めていた病院での導入を検討したが、周囲の理解を得られず、上手くいかなかった。しかし、いずれは自分の考えが認められると信じ、82年、西洋医学と中国医学を利用したがん治療を目的に、今の病院を設立した。
その直後に、「人間をまるごとみる」ホリスティック医学に出会い、87年に日本ホリスティック協会を立ち上げた。よく勘違いされるが、これは統合医療とは違うものである。
統合医療は、西洋医療と代替補完医療が一体になったものを指すが、あくまでも病に対する方法論である。しかし、日本ホリスティック医学は、病気だけに留まらず、人生そのものも内包するものである。具体的には、体は「西洋医学」、心は「さまざまな心理療法」、そして命は、「中国医学、ホメオパシー、そして、サプリメントなどの代替療法」を用いることにした。これらのさまざまな方法を戦略的に組んで、1 人の患者に提供するということが、私のたどり着いた治療法である。
*丹羽靭負(耕三)氏の病院等に関する問い合わせは日本SOD研究会(03-5787-3498)まで。