日本SOD研究会 | 活性酸素による様々な弊害や疾病と活性酸素を抑制する丹羽SOD様作用食品について

最近、健康の鍵を握る物質として“活性酸素”と“SOD”の役割がクローズアップされてきました。そして、“活性酸素”が体内で増加すると、がんや成人病を始め、種々の弊害や疾病を引き起こすことがここ数年の間で明らかになってきました。当サイトでは、活性酸素の作用、障害、除去について丹羽靭負(耕三)博士の著書を中心に、出版物、学会誌、各種新聞などの公的な資料をもとにまとめて公開しております。

暮らしの中のがん予防 抗酸化食品のとりかた

吉川敏一・京都府立医科大学講師:「きょうの健康(95-01)」(日本放送出版協会)から引用

※おことわり:「活性酸素 (フリーラジカル)」:本文中の 「活性酸素 (フリーラジカル)」という表現は、原文中では「フリーラジカル」 と表現されています。丹羽靭負(耕三)博士のいう「活性酸素」と原文の「フリーラジカル」は同義なので、本文では、理解を容易にするために、原文中の 「フリーラジカル」を「活性酸素(フリーラジカル)」と表しました。 

内で起こっている酸化を抑える物質には、ビタミンE、ビタミンC、βカロチンなどがあります。これらが多量に含まれる食品を「抗酸化食品」といい、がん予防に効果的だと考えられています。

活性酸素(フリーラジカル)による酸化が病気のもと!

活性酸素は酸化を起こす凶暴な分子
「活性酸素 (フリーラジカル)」というのは、ほかの物質を酸化させてしまう力をもつ凶暴な分子です。これが体内に入っできたり、体内で発生すると、そこから酸化が広がっていき、がんをはじめとするさまざまな成人病を引き起こすことになります。人間の体にとって酸化は好ましくない現象なのです。
しかし私たちは、酸素に覆われた地球で、酸素を呼吸しながら生きています。
酸素にさらされた食品が、酸化によって徐々に変質していくように、人間の体にも酸化が起こっているはずです。
それでも私たちが生きていけるのは、なぜなのでしょうか。
酵素(SOD)が体の酸化に抵抗する!
そのカギを握っているのが、体内の酸化に抵抗する酵素(SOD)の存在です。同じ地球上の生物でも、嫌気性細菌といつて、空気に触れるとすぐ死んでしまうものもいます。 この種の細菌は、酸化に抵抗する機能をもつていないため、酸素のあるところでは生きていけないのです。
嫌気性細菌以外の生物は、この抗酸化酵素(SOD)をもっています。だからこそ私たちは、酸素にさらされても、生きていくことができるのです。

酸化を押し止めるのが、抗酸化食品

活性酸素(フリーラジカル)は、様々な条件で増加する
ところが、私たちを取り巻く環境には、体内の「活性酸素 (フリーラジカル)」を増やす条件がそろっています。
たばこを吸い、排気ガスに汚染された空気を呼吸し、ストレスにさらされ、紫外線を浴び、健康のためといって激しい運動をする・・・。
体内の酵素(SOD)だけでは、酸化を押し止めることはできない
このようなことで、体内に「活性酸素(フリーラジカル)」が増えると酵素(SOD)の力だけではとても酸化を押し止めることはできません。 さらに中高年になると、酵素の量が減少するため、酸化が進みやすくなります。
そこで、酸化を抑える物質を体の外から補うことが、重要になります。現在、抗酸化作用が強いと認められているのが、ビタミンC、ビタミンE、βカロチン、フラボノイドなどです。「活性酸素 (フリーラジカル)」は、ほかの分子から強引に電子を略奪することで酸化を起こします。
そして、電子を奪われた分子は「活性酸素 (フリーラジカル)」に変身し、連鎖的に酸化を起こします。
ところが、ビタミンCやビタミンEなどの分子は、「活性酸素 (フリーラジカル)」に電子を略奪されても、ペアになれない電子を抱え、単独のままじつと安定しています。
このおとなしい性質が、酸化の連鎖をストップさせることになるのです。

酸化を防ぐ抗酸化食品のがん防止効果

「抗酸化食品」は、抗酸化作用をもつビタミン類などの食品
「抗酸化食品」は、抗酸化作用をもつ、ビタミンC、ビタミンE、βカロチン、フラボノイドなどが含まれる食品をさします。 現在、がんの予防という点から、体内の酸化を防ぐこの抗酸化食品が注目されています。
抗酸化作用のある栄養素を十分とれば、がんによる死亡率が低くなる
ビタミンC、ビタミンE、などが体内で酸化を防ぐメカニズムは、前に示したとおりです。
しかし、これらのビタミンをとることが、本当にがん予防に役立つのでしょうか。
その疑問に対する答えとして、次の図のような研究が報告されています。
いずれも、抗酸化作用のある栄養素を十分とつているほうが、がんによる死亡率が低くなることを示しています。
ある地域の人々を12年間追跡調査、健常者とがん患者さんの血中のビタ ミン量を比べた。
βカロチン、ビタミンC、ビタミンEは、酸化を防ぐ働きをもつ栄養素である。
健常者の血中に含まれるビタミンを、100とした場合、がんにかかった患者のビタミン量のレベルはかなり低い。
これからも抗酸化作用をもつ栄養素ががんと深く関係していることがわかる。

がんによる死亡率が高い、中国の林県という地域で,抗酸化物質(ビタミンE、βカロチン、セレン)のがんに対する効果を調べたもの。
抗酸化物質を投与したグループと投与しないグループでは,5年後,胃がんによる死亡率にはっきりと差が見られる。

がん防止のためのビタミンや食品の摂取量

がん防止のためには、食品だけでは大変!
がんを防ぐためには、これらの栄養素をどれだけとればよいのでしょう。目標が、下表のような量(1日の摂取量)です。これらは、がんを防ぐうえで望ましいと考えられている量です。
抗酸化食品 がん予防に必要な摂取量(mg/1日) 食品で摂取すれば 他の食品
ビタミンC
ビタミンE
βカロチン
500~1000
50~300
5~6
ピーマン15個分
かつお4000g
ホウレン草2束
レモン、いちご、パセリ
牛肉、バター、植物油
ニンジン、カボチャ、ブロッコリー
そのため、一般に必要とされている量(ビタミンC:50㎎、ビタミンE:7~ 8㎎)とは、まるで違う数値です。 ※編者コメント:例えば、「かつお」では、ビタミンEの含有率は100g中1.2㎎程度なので、がん予防に必要な 摂取量50㎎を確保するためには、4000g以上の摂取が必要となります。このため、1つの食品でビタミンEを摂取しょうとすると、脂質の摂り過ぎとなる ので、いろいろな食品の摂取が必要です。
がん防止のための、ビタミンは、食品だけでは摂取できない!
毎日の食事に、食品を組み合わせ、これらのビタミンをうまく組み込んでください。
しかし、食品だけに頼っていたのでは、前にあげた目標はまず達成できないでしょう。
特にビタミンCとビタミンEは無理なので、ビタミン剤を利用することも勧められます。
βカロチンは、にんじん 0.5本、あるいはほうれんそう2束で、目標の5~6㎎なります。
料理だけでとるのは難しいとしても、野菜ジュースなどを利用すれば、無理なく目標値に達することができるでしょう。
ちなみに、現在の日本人のベータカロチン摂取量の平均は 2.5㎎程度です。
様々な抗酸化食品を摂取しょう
また、これらのビタミン類のほかにも、抗酸化作用をもつ食品があります。こしょうをはじめとする各種の香辛料やハーブ類、のりやわかめなどの海藻、それにお茶です。
香辛料はヨーロッパでは肉類の保存に使われていました。香辛料を使うことで、酸化が防げ、食品が長持ちすることを経験的に知っていたのでしょう。
体内の酸化を防ぐのにも、香辛料やハーブ類は効果を発揮します。
のり、わかめなどの海藻やお茶なども、昔から健康によいといわれてきたものです。
これらを毎日の食事の中に取り入れていくことは、がん予防のためにも勧められます。
がんの予防には生活上の注意と抗酸化食品の摂取が必要です!
んを防ぐには、以上のような食事での注意のほかに、生活上でも注意が必要です。
体内での酸化を促進するストレスを減らし、たばこや過度の運動をやめ、睡眠は十分にとりましょう。
がん治療に効く画期的な薬は、まだありませんが、がんができるメカニズムは解明されつつあります。
メカニズムの解明とともに、体にとつて何がよいのかもわかってきています。
抗酸化食品をとるよう心がけ、生活上の注意を怠らないことで、がんを予防していきましょう。
※編者コメント:食品から抗酸化作用があるビタミンを摂取することは、以下の点で、容易ではないと思われます。
  • がん予防のためのビタミン摂取がかなり多いため、単体の食品からの摂取は困難。
  • たとえば、ビタミンEは油性のため、所定量を摂取しょうとすると、脂質の摂り過ぎになります。
  • ビタミン摂取にはバランスが必要です。ビタミンEはビタミンCとともに作用するので、EとCは、バランスよく摂取されて、有効に作用します。
  • 化学合成のビタミン剤は、天然ビタミンと比べて、作用が異なることがあるので、注意が必要です。

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